2015年1月28日水曜日

テーラワーダ仏教 法話と実践会 体験報告

 一昨日の1月25日(土)、東京都渋谷区幡ヶ谷にある「日本テーラワーダ仏教協会」へ行き、アルボムッレ・スマナサーラ長老の講演と瞑想の実践会に参加してきました。
 なぜ参加したかというと、アサテラの会で今年5月に新発田で長老の講演会を計画しているので、その前に、まずは自ら聴いて体験しておきたい、と思ったからです。


 朝5時19分の新発田発の電車に乗り、9時には協会に到着。建物は思ったより狭い感じでした。その分、とてもアットホームな雰囲気が漂っていました。初めての参加者と会員の方、数十人いたかと思います。座布団に座り、少々ぎゅうぎゅう詰め。私は最前列に陣取って、スマナサーラ長老のお話を聞き漏らすまいとがんばったのであります。
 いよいよ長老のお出まし。いきなり、パーリ語?のお経がはじまりました。長老に合わせて、会員の方々が大合唱。うわっ、ヤバいところへ来てしまったと正直、心配になりました。ドキドキしながら配られたお経の冊子を目で追います。まあ、後で考えてみれば、日本のお寺へ行けば日本のお経を読みますわな。
 実は私、風邪を引いておりまして、のどは痛いわ鼻は出るわでしんどかったのですが、この日程しかなかったもんで、無理を押してやってきたんであります。こんなコンディションで果たして一日持つかなあと不安でした。ところが、なんと長老も風邪を引いているではありませんか。それも、私より悪そう。咳はするは鼻はかむわ。気の毒に思ったり、ちょっとほっとしたりして。

 さて、講演ですが、びっくりしたのは、何かテーマがあるわけじゃないんです。最初から最後まで質疑応答。質問は、やさしそうなものから難しいものまで色々。それらに対し、長老は、風邪を引いてつらそうでしたが、丁寧に答えてくださいました。
 いろんな質問があったのですが、今話題になっている、イスラム国に関わる質問もありました。テーラワーダ仏教では、「生きとし生けるものの願い事がかないますように」と願うのですが、この言葉からすれば、「イスラム国の願い事もかなうよう願うのか」という、少々いじわる?な質問でした。それに対して長老曰く、ここで言う願いごととは、生き物が本当に必要な願い事のことである。たとえば、息をすること、健康であること、食べるものがあること、家族が仲良くすること、事故に遭わないこと、など、誰でも願わずにいられない、ごくごく当たり前のことを願いましょうと言っているのですよ、と。
 つまり、重要なのは、何が本当に生きていく上で大切なのか、ということです。そう考えると、イスラム国はさておいても、我々が普段、願っていることも、何だか真の願いなのかなあと思えてくるのです。

 で、あっという間の2時間が過ぎました。昼食は、お世話係のみなさんが食事を用意してくださっていました。様々なおかずがずら~り。遠慮なく、ありがたくいただきました。ごちそうさまでした。
 ご飯を食べ終わったら、若い男性から声をかけられました。なんと、新発田から来られたとのこと。それも、アサテラの会にも何度か参加したことがあるというではないですか。今月の法華寺(水行!)にも来てくれたとのこと。うれし~! 加えて、会員さんの中には、上越市出身、長岡市出身の方もいて、さながら県人会のようでした。
 で、早速、持参した「巡る」を見せたりしながら、アサテラの会のことをお話ししたところ、こんな活動が地方でやられていたなんて、とびっくりされました。うれし~! 5月の講演会にもぜひ行きたい、なんて言ってくださいました。ありがたや~。

 さて、午後の瞑想実践会のはじまりはじまり。5時間の長丁場です。倒れるんじゃないかな、あるいは寝るんじゃないかなと心配が募ります。
 瞑想、正しくは、ヴィパッサナー瞑想と言います。以下、私の感じたままを言葉にして書きますが、間違いがあるかもしれませんのでご了承を。正しくは、あるいは詳しくは、テーラワーダ協会のホームページや長老の著書をご覧ください。
 瞑想の目的は、妄想・雑念を排除し、あるがままの姿に目覚める、ということ。これを「悟り」と言います。
 そのために、自らの「今」の感覚に気づき、妄想・雑念を振り払って思考を停止させる、この作業が大切になってきます。具体的には、「手を上げる」「物を持つ」から始まり、「立つ」「歩く」「座る」などの動作をスローモーションや停止という方法を駆使して、今、どんな感覚が生じているかを見つめます。すると、沢山の感覚に気付くと共に、我々の動作は、実はものすごく複雑な工程を経て成り立っていることに気付きます。そして、同時に、そうした動作と無関係のはずなのに、おびただしいほどの妄想・雑念が発生することにも気づくのです。
 ただひたすら「実況中継」という手法で、妄想・雑念を振り払いながら、「今」自分の身に起きていることを見つめます。
 ……………。
 あっという間の5時間でした。眠りませんでしたよ。
 終りに長老曰く、「自分の幸せは自分で作ってください」
 そうなんです。いくらすばらしい教えでも、自分でやらなきゃ身につかない。そりゃそうだと思いました。「自灯明 法灯明」って、このことなのかな。

 やっぱり、行ってよかった。得るものがたくさんありました。
 5月には新発田へスマナサーラ長老をお招きし、講演会&瞑想会を開催する予定です。どのような組み立てにしたら、より新発田の皆さんに喜んでいただける内容となるか、今回の体験を基に考えていきたいと思います。
 最後に、協会事務局の佐藤さん、お忙しいところ、何かと便宜を図っていただきまして、大変ありがとうございました。これからも、よろしくお願いいたします。

 以上、体験報告でした!