2014年3月10日月曜日

文化遺産を活かしたにぎわいづくりシンポジウム(報告)

3月8日(土)、ついにシンポジウム本番でした。
実はその前の日、北原弘前大学教授を囲んで懇親会を行いました。もう、そこからシンポジウムは始まっていたんですね。先生の話は実におもしろい。そして、それらはすべて実体験。こんな先生が近くにいて、一緒にまちづくりができたらなあと、つくづくうらやましかったのですが、でも、いたじゃないですか、敬和学園大学の一戸先生が! 一戸先生はなんと、弘前出身。今回のパネルディスカッションではコーディネーター役をお願いしました。やりましょう、一戸先生!
というわけで、すき焼きを食べながらのまちづくり(北原先生は「まち育て」と言います)談義はとても貴重で楽しいひとときでした。

さて当日の午前中は北原先生をお連れして新発田のまちなかをご案内。
・足軽長屋(とても気に入っていただいたようでした。「清水園よりすごい」)
・清水園(先月オープンしたばかりの安兵衛伝承館も見ましたよ)
・石泉荘(前を通るだけ)
・金升酒造(杜氏に酒蔵の中も案内していただきました。感謝!新発田側の焼酎カメ護岸に「スゲエ」)
・寺町(たまり駅で抹茶と和菓子で休憩)
・宝光寺(山門、城東窟の桜、経蔵。「山門いいねえ」)
・新発田川、公設市場(おばちゃんも!)
・平久呉服店(いっぱい写真撮られてました)
・ギャラリー3+4(寺田さん、ありがとうございました)
・白勢長屋(車窓より)
・白壁兵舎(車窓より)…まだオープンしてません。
・新発田城(とにかくお堀を渡る風が冷てエ~)
・長徳寺義士堂(「こりゃすごいなあ」 関根さん、お話しありがとうございました!)
・次郎八(ようやくメシ。赤穂の牡蠣フライ定食。デカい、うまっ!)




と、このようなハード市中引き回しのような午前中を踏まえ、いよいよシンポジウム本番となるのでありました。

シンポジウムは70名の方にお集まりいただきました。お寒い中、本当にありがとうございました。
さて、北原先生の講演会です。てっきり弘前市のお話しをするのかと思っていたら、黒石市のお話しがメインでした。「こみせ」と呼ばれる、民間の土地なんだけど誰でも通っていい「アーケード」、この活用や保存を巡り、「まち育て」のお話しが展開します。アメリカのメインストリートプログラムの紹介がありました。そのアプローチには、「組織運営」、「プロモーション」、「デザイン」、「経済立て直し」の4つが必要。特に私が思ったのは、最後の「経済立て直し」です。とかく「まちおこし」というと、やたら熱意が先走り、カネのことはあとまわしにしがちですが、やはりカネは大事です。ここを目指さないから長続きしない。しりすぼみになってしまう。よくあることですよね。
黒石市では、熱い想いもすごいですし、その熱い想いをうまく燃料に変え、実にしたたかにやってるなあと思いました。空家になっていた「銭湯(セントー)」を「センター」に変えていくなど、すばらしい取り組みだと思いました。しかし、その背景には、北原先生のような、市民の取り組みを支えてくれるシンクタンクのような存在が必要だということです。
今、新発田のまちづくりの取り組みに欠けているのは、経済観念とシンクタンクではないかと、講演会を聞いて、思った次第です。



講演会に続いては、パネルディスカッション。敬和学園大学の一戸先生がコーディネーターとなり、パネリストに、
・宝光寺の寺崎住職(新発田市仏教会会長。宝光寺は新発田藩主溝口家の菩提寺。)
・街角こんぱす編集長の西村さん(街角こんぱすは日本フリーペーパー大賞2013の地域密着部門で最優秀賞を受賞)
・新発田商工会議所青年部理事の肥田野さん(新潟市で㈱バウハウスを経営する傍ら、多岐に渡ってまちづくりを実践)
の3人、そしてコメンテーターとして北原先生でした。
3人からそれぞれ、新発田のまちへの熱い想いを語っていただきました。
・寺崎住職「もっとお寺を活用してほしい。多くの方にお寺に来ていただきたい。また、経蔵を市文化財にしようと計画している」
・西村さんは「名のある文化財よりも、何気ない街角の風景や人々とのふれあいの中に、新発田の本当の良さがあるのではないか」
・肥田野さん「新発田城清掃にはものすごく大勢の人が集まる。お城というモノよりも、集まってくるヒトが新発田の財産」
モノでなくヒト、全く私も同感です。新発田にはおもしろい人、魅力的な人がたくさんいらっしゃいます。人にターゲットを当てて、まちづくりを考えなければ。そうすることで、モノも活きてくるのではないでしょうか。



そしてシンポジウムが終わり、夜となりました。
北原先生を囲み、数人で打ち上げです。西村さん、肥田野さん、それから商工会議所青年部のお二人も加わり、楽しくやっつけました。
しっかし、北原先生はエネルギッシュです。またまたここでも熱いお話しをガンガン聞かせていただきました。おもしろい!楽しい!もうこれは、今回だけでは実にもったいない。ぜひ、今後もおつき合いいただきたい。切にそう思った夜でした。