2月12日(月・祝)、法華寺にて義昌上人(住職)の帰山式が執り行われました。
私、法華寺の檀信徒(檀家)であり、世話人であることから、この度の帰山式には深く関わらせていただきました。以下、そうした立場からのご報告となりますこと、ご了承ください。
義昌上人は、昨年11月1日から今年2月10日までの百日間、千葉県市川市の法華経寺の大荒行堂に入行し、一日水行7回、睡眠2時間、食事お粥2回、あとは読経三昧という、正に命がけの修行をされました。この修行の満了=成満を記念し、晴れて新発田へ帰ってくることをお祝いするのが帰山式です。
と、「晴れて」と書きましたが、実際は、近年まれにみるものすごい寒波に襲われ、豪雪、吹雪、厳寒の中、帰山式は行われたのです! しんどかった~!
はじめに、「行脚」という行進がありました。団扇太鼓の音が響く中、成満旗をたなびかせ、義昌上人と行僧の皆さん、そして檀家の皆さんが隊列を作り、法華寺に入山しました。猛吹雪の中、法華寺に着く頃には、すでに頭の上は真っ白!
行僧7名の他に一般の方々14名、計21名による水行です。うち4名がなんと女性です!また、中には地元、敬和学園大学の男子学生の姿も。彼らはバドミントン部の部員。敬和のバド部は全国的にも有名であり、インカレ優勝を祈願して水行に臨みました。他の方々もそれぞれ、子供の合格祈願や自身の厄払い、家族の健康など、様々な想いを秘めての水行参加でありました。そして、白装束に身を包み、特別御加持を受け、気合十分となったところで、いざ本堂前の水行場へ。
そして、いよいよ、気合いを入れて大きなかけ声とともに、水行開始!
うわ~っと、境内の参拝者からも声が出ます。結構な人数の方々が集まってきてくださいました。カメラマンも大勢来られていました。
時間にすればそれほどでもないのかもしれませんが、とにかく何杯も水をかぶります。敬和の学生は気合いというより悲鳴を上げています。がんばれ、学生!
さて、水行の後は舞台を本堂内に移し、関係御寺院がずらりと居並ぶ中、荘厳に帰山報告式が執り行われました。式の後半には、義昌上人と共に百日間を過ごした行僧様からご挨拶を頂戴し、大荒行での様子などを垣間見ることができました。その後、先代住職の院首様から感謝のご挨拶。また、岩橋檀信徒筆頭総代からのご挨拶では感激に言葉が詰まる場面も。そして最後に、義昌上人からご挨拶。多くの関係者の皆さんへの感謝の言葉を述べられました。特に、奥様への感謝の意がありました。
大荒行は確かに、壮絶なものだったことでしょう。しかし、その留守を預かる家族の想いは、いかばかりだったのかと思います。特に、幼子を抱え、寺を守り、帰りの準備を進めてきた奥様の胸中は計り知れない不安と孤独があったのではないかと私は思います。正に、夫婦共に修行をされていたのではないでしょうか。
そして、帰山式の最後は、参拝者全員への御加持と、待ちに待った福まき。本堂に入りきらないほどの参拝者が集まってくださいました。皆さんにたくさんの福がまいりますようにと、たくさんのお餅とお菓子がまかれました。皆さんとても楽しく、満足な表情をされていました。その様子を見て、ああ、帰山式を開催できて本当によかった、ありがたいなあと感謝の想いが込み上げてきました。
義昌上人が大荒行に旅立つ前、帰山式の内容が決定されました。行脚や水行、福まき、祝賀会と盛大に行うこととなったのですが、実は、いったいどうやって運営すればいいのか、皆目見当がつかなかったというのが正直なところです。
檀家(檀信徒)世話人は総勢15名ほど。何度も会議を重ね、打ち合わせを行い、細かいことをひとつひとつチェックしていきました。
しかし、どうしても人数が足りないのです。世話人のほとんどが高齢者で、特に除雪のことを考えると、機敏に動ける若いスタッフがほしい。
そこで、今回はボランティアを募ることとしました。方々に声をかけたところ、義昌さんの人柄を慕う方や帰山式の開催に意気を感じた方など、大人11名と敬和学園大学の学生18名の計29名も集まってくださいました。うち、アサテラの会からも5名が参加し、実質、中心になってボランティアをまとめていきました。
本当にボランティアの皆さんには、大活躍していただきました。特に除雪! とにかくものすごい寒波の襲来で、次から次へと雪が降ってきます。皆でひたすら除雪。合わせて、本堂・境内のしつらえから駐車場警備、行脚の旗持ち、おしるこ・甘酒のふるまい、水行の介添えなどなど、様々に動いていただきました。本当にありがたかったです。うれしかった。この場を借りて、深く感謝申し上げます。
そして、檀信徒(檀家)について。
法華寺では、今までお寺の行事というと、ほとんどのことをお寺様で仕切り、檀信徒はそれに従うだけ、ということだったようです。それが今回、檀信徒主導で帰山式を執り行うことができました。皆で知恵を絞り、役割をこなし、帰山式を作りあげることができたのです。これは、実は画期的なことではなかったかと思うのです。
お寺離れが叫ばれる昨今にあって、今後のお寺のあり方を考えた時に、ボランティアのご協力を仰ぎながらも、檀信徒が主体的にいかにお寺を盛り上げていくか、とても勉強になった帰山式でした。
最後に、この度の帰山式を開催するに当たり、法華寺筆頭総代の岩橋明様について触れないわけにはいきません。帰山式の陣頭指揮を取り、細部に渡って気を配り、段取りを進められた岩橋筆頭総代のご尽力に深く敬意を表し、この度の帰山式のご報告を終わります。
最後の最後!
ご参拝の皆様、ご協力いただいた関係各位の皆様、本当にありがとうございました。